もりおか俊行のブログ

没頭、熱中、表現の場づくり! イギリスで制度化されている社会的処方の考え方を取り入れ、制度ではなく文化にしていく市民活動。 人と人、人と活動を繋ぎ、人々を元気する活動で、ともに釧路市を変えていきましょう。https://twitter.com/903evo

釧路市支所廃止問題まとめ

まずは、支所廃止の問題点について、住民説明会の光景が強烈であったことをお伝えしておきます。

11月14日の大楽毛生活館で開催された住民説明会への参加者は、ほとんどが高齢者であり、中には免許証の自主返納の判断を行った方もいます。

そのような状況下で、「マルチコピー機の操作を基本的にご自身で行っていただく」と言う発言は、実際の現場で体験すると非常に大きなインパクトが有りました。

 

それに加えて、不安のある方の為に講習会を開催すると案内。

参加者の本音は、今まで通りの対応をして欲しい。機械に苦手意識がある。機械が怖い、触りたくない、だと思います。そのような中で、不安があるなら講習会を開催しますという対応は、非常に意地悪な対応に感じました。

 

しかも、この講習会の案内は、私のような機械に苦手意識のない人間にとっても、非常に疑問を感じる対応でもあります。

昔のような、うっかり操作を誤ると壊れてしまうような機械ではなく、大きな液晶画面があって、指示通りにタッチするだけのマルチコピー機を想像しています。講習会を開いて、一体何を教えるのでしょうか。

会場の中でも、実際に利用するのは年に1回か2回程度と言う話が出ていました。半年前に教わった内容を、覚えていることは出来るでしょうか。

現実的には、近くにいる人が操作を補助することになると思いますし、操作が難しくないのであれば、それで十分対応できると思います。高齢者を相手に、自分で操作をして下さいという必要があるでしょうか。

マルチコピー機のPRがなく、ひょっとしたら講習会が必要なほど難しいのではないかと不安にさせるほどの内容。

具体的な機種も設置場所も決まっていない。参加者に納得していただく、安心していただくような要素が全く無い。最初から、参加者に苦手意識があることを想定して、マルチコピー機の話題で黙らせることが目的だったのではと疑うような内容でした。

参加者に納得していただくことが目的であれば、必要な内容が明らかに不足していたと思います。

 

【河野太郎】マイナンバーカード&デジタル社会のビジョンを解説 - YouTube

 

動画の中でデジタル社会のビジョンについて解説しています。

来年2023年5月にはアンドロイドと提携し、将来的にはスマホが健康保険証や運転免許証にもなり、役場に行かなくても様々な手続きが可能になると説明しています。

国が率先して動き出したため、これから数年のうちにデジタル化が急速に進むことになります。デジタル化で余った人員を住民への対応に回して欲しいとも説明しています。

そうなってくると、今まで支所を持っていなかった自治体も、住民との接点を求めて支所を設置し始めることが予想されます。

 

デジタル化移行に伴い、市役所側には大きな負担がかかります。特に市長と管理職クラスのデジタル化への理解度が、デジタル化移行への明暗を大きく分けると言われています。移行後には、デジタル庁が提唱する「誰ひとり取り残されないデジタル社会の実現」という、市民一人ひとりへの行き届いた行政サービスが求められることになります。

 

一方で住民側は、マイナ保険証への切り替えなどの対応を求められることになりますが、移行後は飛躍的に利便性が向上します。スマホを操作できない方も、身近な人に相談する、役場に相談することで、デジタル化の恩恵を十分に受けることが出来るとされています。デジタル化移行に伴う住民側の負担は、基本的には必要ないはずです。

 

デジタルコピー機の導入は、これから始まる本格的なデジタル化移行の準備段階と言える期間に行われることになり、今回の住民への対応は、デジタル化移行に向けた黄色信号と言える対応になったのではないかと思います。

 

スムーズなデジタル化移行を進めるために、支所の存在が重要になる可能性、そして役場に出向く必要がなくなると言われている中で、デジタルコピー機導入の必要性への疑問もあります。

自治体側のデジタルへの理解度や対応の違いにより、デジタル化移行作業には大きな差が生じる事が予想されますが、基本的には住民側への負担はマイナカードの発行と切り替え作業以外には存在しないはずです。

 

これからのスムーズなデジタル化への移行を目指すのであれば、今回の住民説明会での対応は、デジタル化への不安を煽るものであり、誰の目から見ても適切な対応とは言えない行為問題に見えると思います。この問題を指摘することで、支所廃止案を取り下げていただける可能性は十分にあると思っていました。

 

デジタル化移行に向けた住民負担は、釧路市発案のウルトラC。

支所廃止案の議会での否決をお願いします。